桜の咲く4月
周りの桜たちも大分咲いてお花見シーズンになっている
桜の花は、やはり…どこか…苦手だ。
其の隣で片桐は、桜をじっと見ている。
「稔さんどうかしましたか?」
問いかけに
「ああ、克哉君すいません。昔のことを思い出していたんです。」
昔のことで片桐が頬を染めているという状況からして昔の恋人か何かのことだろう
「俺も思い出したくもない過去を思い出してしまったしな…」
と溜息をついた。
「克哉君、すいません。僕といてつまらなかったですか?それとも
お花見はやはり嫌でしたか?」
と、片桐は心配そうな顔で言った。
「そんなことないです。あなたと一緒なら…しかし、桜をみているあなたはいやらしくて、俺がみたことが無いような顔をしてた。」
と、克哉に言われ片桐は、今までの事を思い返してみた。
また、片桐の顔が赤くなる
それをみて克哉は
「俺は過去の稔さんには、どうでもいいって思っていたが、そんな恋しそうな稔さんをみていたら…」
片桐の手を引き、タクシーを止め着いた場所は、克哉のマンションだった。
足早にドアを閉め、そして
「克哉くん…?」
寝室のベッドで素早く片桐の服を脱がせていく
「どうしたんですか?」
あまりの唐突な行動に片桐は理解できない。
「俺は、桜をみているあなたにまで嫉妬してしまったようです。過去のあなたにも…。俺だけをみて…俺だけを感じて下さい。」
克哉は片桐の口をふさぐように、キスをする。
そして、いつもより乱暴に片桐を抱く。
「稔さん…俺だけを感じて下さい」
片桐は、気を失ったようだ。そんな片桐を克哉は、そっと抱き寄せ
「稔さん…愛してますよ…」
と優しいキスをした。