※薄桜鬼黎明録の平助ルートをクリアしてから、みることをおすすめします。

またBL苦手な方は、ご覧をお控えくださいませ。


新見さんの事件以来、平助のことが頭の中から離れない。

あのまま、新選組にいたら、間違いなく俺は、芹沢さんとともに斬り殺されていただろう。

しかし、新選組の連中も俺のことを探そうとはしなかった。

平助のおかげなんだろう。もしかしたら、俺があいつらに協力していたことも、あっただろうか…

かれこれ三年の月日が流れ、俺は江戸に戻ってきていた。

夜街で偶然平助らしい姿を見かけ、一度は、立ち尽くしたままだったが、意を決して…

「平助…?」

平助は、声がした方向へ刀を抜いて振り向いた。

殺気がみなぎっており、今にも斬り殺しそうな雰囲気だ。

しかし、俺の顔をみた途端

「龍之介?龍之介なのか?」

今までの殺気とは全く違う、優しい昔のままの平助に戻っていた。そして、俺の胸に疑いもなく飛び込んでくる。

この懐かしさ…

しかし、すぐに俺から離れ

「ここじゃ誰かにみられたらまずい。俺と一緒にくるんだ」

と平助は、俺の手をぐいっと引っ張り、人気のない家の前までやってきた。

「この中なら大丈夫だろう…」

そして、昔話にはなをさかす。

しかし、山南さんや原田、永倉などの新選組隊士の話になると口をつぐんでしまう。

「まあ、お前とまた再開できて良かったよ。」

とその先のことはあえて聞かなかった。

「なあ、龍之介。この再開も神様が俺達にくれた褒美なのかもしれねぇ。俺、お前のことが、あのときから…忘れられない。」
俺も平助の話を聞きながら首を縦に振る。

「どんなに、他のやつと付き合おうとしてもだめなんだ。なあ…一晩でいい…龍之介を俺にくれないか?」

平助の息が荒い。もしかしたら、この言葉を口にするのは、かなりの決心だったようだ。

「ああ、いいぜ。俺の体に消えない、しるしをつけてくれ」

平助は真剣な表情で

「ああ、わかった」
と一言いい、俺と平助は…

そして、獣のようにお互いを求め合った。

「やっぱり、俺の隣にお前がいなきゃダメだ。なあ、俺が江戸にいる間だけでも、夜ここであおうぜ」

「やっぱり、お前は俺でなきゃ釣り合わないよな。ああ、約束だ」

あのときみたいに俺達は腕をあわせがっちりと約束を交わした。

その幸せが、少しでも長く続くようにと。
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